ドイツの鉄道事情

いつも当社のブログを見ていただき、ありがとうございます。
今回は関東営業所の海外市場担当者からの投稿です。
私はヨーロッパを担当しており、特にドイツは長年のお客様もいる関係で出張時に必ず訪れます。そのドイツでお世話になっている「鉄道」について、少しご紹介させていただきます。
(タイトルの画像は日本から直行便も出ているフランクフルトの中央駅です。威厳のある駅舎の雰囲気がとても素敵です。)
国が変われば事情も変わりますが、ドイツの鉄道は日本と異なる部分が多く、私も最初はかなり戸惑うこともありました。
こちらはドイツ高速鉄道『ICE』です。
日本の新幹線のような存在で最高速度は320km/h、ドイツ国内はもちろんのこと、フランス、ベルギー、オランダ、オーストリア等の周辺国にもアクセスできます。
日本ではほとんど見かけなくなった食堂車もほぼ全ての便で設置されています。
何より車体のデザインが本当に格好良いですね。
こちらが車内の様子です。ICEは1等席と2等席があり、写真は2等席ですが、日本の新幹線よりも席幅に余裕があると思いました。
また、ドイツの鉄道では「自動改札」というものは存在しません。
切符を買ってそのまま列車に乗り、社内で車掌さんの確認を受けるシステムで、在来線も同様です。他のヨーロッパ諸国では、自動改札やICカード決済も増えてきましたが、ドイツでは未だにこの方法が主流です。
(もちろん、切符無しで乗ってしまった場合は、理由の如何に関わらず、高額の罰金が科せられます。)
こちらは指定席の写真です。ICEの乗車券はオンラインで購入できますが、指定席の場合は、このように自分の席に区間が表示されます。新幹線のように自由席と指定席の車両が分かれておらず、この区間表記がない席が「自由席」となります。
この日はたまたま空いていましたが、ICEの運賃は比較的安い(オンライン購入で日本の新幹線の1/3~半額程度)こともあり、普段はかなり乗客が多く、混雑しています。
しっかり席を確保するためには、指定席を購入することをお勧めします。
日本の鉄道は時間に正確なことで知られていますが、ドイツでは新幹線のICEですら定時運行率が低いことに驚かされます。
ドイツ鉄道によると、昨年の定時運行率は何と65%。しかもドイツは、6分未満の遅れは「定時」とみなすそうで、5分程度の遅れを含めるとこの数字はもっと低下することになります。(ちなみに、東海道新幹線の定時運行率は90%以上、遅れの定義は1分。すごいですね。)
さらに、列車が駅に到着する1~2分前に、突然到着ホームが変更されることも多く、しかも遅れての到着となると、私のような外国人はもちろんのこと、ドイツ国民もホームで混乱している姿はおなじみの光景です。私も何度もその場面に遭遇しましたが、さすがに写真を撮る余裕がなく、この場でお見せできないのが残念です。
こちらの写真をご覧ください。
8:35に出発予定の列車ですが、まだ発車もしていないのに遅れることが確定しています。(笑)
遅延の理由は様々ですが、ドイツ鉄道は在来線とICEのような高速鉄道が同じ線路を走るため、どこかで問題が起きると、各地で目詰まりが起きることが主な要因のようです。
このようなドイツへの出張ですが、美味しいビールと食事をいただき、毎回帰国後はベルトの穴1つ分はお腹が膨らみます。
日本の鉄道が正確なのは、お客さんの要求水準が高いこともありますが、今回ドイツの記事を書いていて、少々の遅れにはイライラせず、太っ腹でいたいと思うようになりました。
最後にケルンの大聖堂と車窓からの風景です。
のどかで雄大なヨーロッパの景色には、いつも心が癒されます。
今回も最後まで読んでいただき、どうもありがとうございました。
フランクフルト駅でいただいた本場のグリューワインです。寒い中のホットワイン、美味しかったです♪